リハビリテーション領域の紹介
リハビリテーション科学領域は、理学療法学分野と作業療法学分野から成ります。
理学療法学分野では、人間の生活機能に影響を及ぼす生物的、個人的、社会的要因の分析の上に、種々の疾患や健康状態から引き起こされる生活機能低下の予防とその賦活において、高度の臨床能力を有する理学療法士を育成しています。
作業療法学分野では、作業行動理論および関連する諸理論に対する深い理解の上に、特に閉じこもり高齢者や地域で生活する高齢者を対象とした介入において、高度の臨床能力を有する作業療法士を育成しています。
それぞれの皆様が、自己の興味に従って専門能力を高めるべく、進路をご選択ください。
理学療法学分野 教員紹介
職名 | 氏名 | 研究テーマ |
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教授 | 本郷 道生 |
高齢者の腰曲がりの病態の解明と、運動療法の有効性に関して研究しています。また側弯症やスポーツ障害など、若年者に多い疾患の病態について、超音波などを用いて研究しています。 |
mhongo*doc.med.akita-u.ac.jp | ||
教授 | 竹内 直行 |
脳卒中後運動麻痺に対するニューロリハビリテーション、非侵襲的脳刺激を用いた脳可塑性誘導・神経疾患の治療、教育学習過程における脳科学の研究を行っています。また日本リハビリテーション医学会専門医・指導医としてのバックグラウンドを持ちリハビリテーション医療における他職種連携に対する社会脳的アプローチに取り組んでいます。 |
教授 | 佐竹 將宏 |
私は理学療法士です。主な研究テーマは呼吸リハビリテーションと装具療法です。呼吸リハビリテーションでは呼気ガス分析装置を用い運動時の呼吸や代謝の反応を研究しています。装具療法では急性期脳卒中患者に対する治療用装具について臨床的な研究を継続しています。 |
satake*hs.akita-u.ac.jp | ||
教授 | 若狭 正彦 |
Aging(加齢)に伴う様々な身体運動機能の変化に対する縦断的研究、また超高齢化社会における介護予防に向けた取り組みとして、「自助」をキーワードに高齢者に対する効果的な運動療法プログラムの開発を行っております。さらに「互助」に対するアプローチとしては、地域で生活する一般の高齢者を対象に、運動サポーターを養成し、地域住民主体で行うことのできる介護予防運動プログラムの開発を行っております。 |
masaloco*hs.akita-u.ac.jp | ||
准教授 | 佐々木 誠 |
正常なヒトは、複数の様式の感覚を受容して、骨・関節を基盤に筋によって姿勢を保持・変換し、呼吸循環の作用によって運動をします。これらの機能により日常の生活活動を行い、スポーツなどの高いパフォーマンスを実現しています。私は、障害によってこのような機能や能力に障害が生じた場合の理学療法の評価や介入効果について研究しています。 |
masasaki*hs.akita-u.ac.jp | ||
准教授 | 上村 佐知子 |
私はこれまで、睡眠導入剤服薬後の高齢者の精神・運動機能を研究してきました。この研究によって、睡眠導入剤が適切に使用され、薬の副作用から生じる転倒等の問題が少なくなると良いと考えています。また、古来人々が好んできた温泉のエビデンスを、睡眠や筋疲労などの生理学的指標から検討し、その効果を調べています。さらに、対人援助職の精神的疲労やコミュニケーションスキルに関する研究を行っています。 |
uemura*hs.akita-u.ac.jp | ||
助教 | 齊藤 明 |
変形性膝関節症における膝関節周囲の筋機能について超音波画像を用いた研究をしています。また成長期の野球肘の予防や理学療法介入の一助を目的に、超音波機器を用いて肘関節周囲の筋の硬さについての研究も行っています。 |
ptsaito*hs.akita-u.ac.jp | ||
助教 | 木元 稔 |
私は地方に住む障害のある児を主な対象として、効果的なホームエクササイズを考案するための研究をしております 。地方では子どものリハビリテーション専門施設が都市より少ないため通院が困難です。 そのため、ホームエクササイズが果たす役割は大きいです。現在は、脳性麻痺児における歩行時の疲労を改善するために、ホームエクササイズとして効果的なプログラムやその実施状況の確認方法についての研究を進めております。 |
minoru-kimoto*hs.akita-u.ac.jp | ||
助教 | 照井 佳乃 |
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terui*hs.akita-u.ac.jp |
※メールアドレスを使用する場合は「*」を「@」に置き換えてください。
例:abcd*hs.akita-u.ac.jp → [email protected]
岡田恭司先生から
登山をはじめとするスポーツ医学、変型性膝関節症、高齢者の脊柱変形をテーマに研究しています。超音波診断機器、足圧分布測定器、脊柱アライメント測定器、画像解析装置などを用いて観察や分析を行っており、明日からのリハビリ現場で役立つ研究を目標にしています。
佐々木誠先生から
研究のメインテーマは呼吸理学療法に関することです。呼吸筋トレーニングの効果や運動中の生体反応を検討しています。呼吸筋については、超音波診断装置を用いて筋厚を測定することも可能です。呼気ガス分析機はモバイル式なので、移動中の運動生理学的パラメータも測定できます。
他にも、脳卒中片麻痺患者の基本的な動作、脊椎後弯高齢者に対するトレーニングの効果、投球障害肩のインナーマッスルの特徴、膝関節にかかる負荷の運動学的な解析など、ジェネラルに研究しています。
作業療法学分野 教員紹介
職名 | 氏名 | 研究テーマ |
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教授 | 吉岡 年明 |
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yoshiokt*med.akita-u.ac.jp | ||
教授 | 石川 隆志 |
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ishikawa*hs.akita-u.ac.jp | ||
教授 | 太田 英伸 | |
hideohta*med.akita-u.ac.jp | ||
教授 | 久米 裕 |
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kume.yuu*hs.akita-u.ac.jp | ||
准教授 | 浅野 朝秋 |
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tasano*hs.akita-u.ac.jp | ||
講師 | 高橋 恵一 |
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k-yan*hs.akita-u.ac.jp | ||
助教 | 津軽谷 恵 |
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megumi*hs.akita-u.ac.jp |
※メールアドレスを使用する場合は「*」を「@」に置き換えてください。
例:abcd*hs.akita-u.ac.jp → [email protected]
石川隆志先生から
博士前期課程では,所属する大学院生の臨床経験に基づいた種々の疑問について文献検討もふまえ検討を重ね具体的な研究計画作成,研究の実施につなげていきます。現在の院生の研究について紹介します。1名は急性期における脳血管障害後遺症患者のFIMスコアとSIASを経時的に評価し関連について検討しています。もう1名は生活行為向上マネジメントを急性期から導入し,対象者の作業療法への認識や退院後の生活イメージに与える影響を検討すべく準備中です。これらの研究を通じて,急性期における作業療法の介入プログラムの在り方や役割について,発信していければと考えています。
修士論文の紹介
理学療法分野
- 木元祐介,進藤伸一:ハムストリングスに対するスタティックストレッチングが筋力と関節可動域に与える影響の時間的変化,秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要,19(2),127-133,2011
- 今直樹,高見彰淑,皆方伸,佐々木誠,:脳卒中片麻痺患者における運動麻痺各回復段階による両脚および片脚レッグパワーと歩行・立ち上がり能力との関係,理学療法科学 25(3),397-402,2010
- 志貴知彰,佐竹將宏,塩谷隆信,高橋仁美,菅原慶勇,笠井千景,清川憲孝,渡邊暢,藤井清佳:安定期慢性閉塞性肺疾患患者における吸気筋トレーニングの呼吸困難について-酸素消費量と換気指標からの検討-,日呼ケアリハ学誌, 19(2), 131-135, 2009
- Sugawara, K, Takahashi, H, Kasai, C, Kiyokawa, N, Watanabe, T, Fujii, S, Kashiwagura, T, Honma, M, Satake, M, Shioya, T. Effects of nutritional supplementation combined with low-intensity exercise in malnourished patients with COPD. Respiratoy Medicine 104:1883-1889, 2010.
- 越後谷和貴,佐々木誠:脳卒中後患者における昇降パターン別の階段昇降の可否に関する検討,理学療法学 39(1),14-19,2012
- Kawagoshi, A, Kiyokawa, N, Sugawara, K, Takahashi, H, Sakata, S, Miura, S, Sawamura, S, Satake, M, Shioya, T. Quantative assessment of walking time and postural change in patients with COPD using a new triaxial accelerometer system. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 8: 397-404, 2013. doi: 10.2147/COPD.S49491. Epub 2013 Sep 2.
- 齋藤真紀子,山平斉,湯朝信博,北原洋,佐竹將宏:人工股関節全置換術後運動機能と外転・外旋筋力の関係,Hip Joint 37(suppl),76-78,2011
- 坂本和寛,岡田恭司,山平斉,工藤俊輔:人工膝関節全置換術(TKA)施行患者の予後予測因子の検討―歩行自立と膝関節機能との関連性―,秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要,19(2),35-42,2011
- Sugawara K, Okada K, Saito I, Saito A, Wakasa M. , Foot pressure pattern of individuals with ACL injury during walking. , J Am Pod Med Assoc, in press,
- 齊藤明,佐々木誠,若狭正彦,上村佐知子,岡田恭司:片脚着地時の体幹肢位が膝関節角度と筋活動に及ぼす影響-男女間の比較-,理学療法科学 29(6),955-959,2014
- Saito I, Okada K, Nishi T, Wakasa M, Saito A, Sugawara K, Takahashi Y, Kinoshita K. , Foot pressure pattern and its correlation with knee range of motion limitations for individuals with medial knee osteoarthritis. ., Arch Phys Med Rehabil, 2013, 94, 2502-8
- 伊藤優也,佐々木誠,佐川貢一:脳卒中片麻痺患者における歩行周期変動の歩行・バランス能力及び下肢筋力との関連,秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要 21(2),125-130,2013
- 栗林由佳,上村佐知子:回復期脳卒中患者の退院時歩行能力と実行状況の乖離および影響因子の検討,秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要,22(1),59-65,2014
- Takahashi Y, Okada K, Saito A, Saito I, Kinoshita K. Wakasa M, Ultrasonographic morphological changes of the central aponeurosis of the rectus femoris muscle and muscle alignment in individuals with knee osteoarthritis , Ultras Quarterly, 32(3):241-246, 2016
- Terui, Y, Shioya, T, Hasegawa, K, Suto, E, Kawagoshi, A, Satake, M, Sawamura, S, Sakata, S. Measurement of the wheelchair-operating time spent by stroke patients using a new triaxial accelerometer system. Open J Ther Rehab, 2014, 2, 147-155.
- Okura K, Kawagoshi A, Iwakura M, Sugawara K, Takahashi H, Kashiwagura T, Homma M, Satake M, Shioya T:Contractile capability of the diaphragm assessed by ultrasonography predicts nocturnal oxygen saturation in COPD. Respirology 22(2):301-306, 2017
- 中澤明紀,佐竹將宏,木元裕介,岩澤里美,皆方伸,上村佐知子,塩谷隆信:急性期脳卒中患者の基本的姿勢における呼吸代謝に関する検討.理学療法学44(6):415-425,2017
- Shibata K, Okada K, Wakasa M, Saito I, Saito A, Takahashi Y, Sato H, Takahashi H, Kashiwagura T, Kimura Y:Ultrasonographic morphological changes in the prefemoral fat pad associated with knee osteoarthritis. J Med Ultrasound 26 (2):94-99, 2018
- 佐藤瑞騎,倉田昌一,岩倉正浩,大倉和貴,新田潮人,照井佳乃,佐竹將宏,塩谷隆信:回復期脳卒中片麻痺患者に対する部分免荷型トレッドミル歩行練習の即時効果 非免荷型トレッドミル歩行練習との比較.理学療法学45 (3):197-202,2018
- Kinoshita K, Okada K, Saito I, Saito A, Takahashi Y, Kimoto M, Wakasa M:Alignment of the rearfoot and foot pressure patterns of individuals with medial tibial stress syndrome: A cross-sectional study. Phys Ther in Sport 38:132-138, 2019
作業療法分野
- 高見美貴,千田富義:回復期脳卒中患者のADL改善経過の分析~回復期リハビリテーションにおけるクリニカルパス作成の指標として.総合リハビリテーション 36(8), 775-781, 2008
- 河津愛,保坂幸毅,金城正治:体幹の傾きのちがいによる車イスの片手片足駆動の運動力学的解析.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要17(2): 20-28, 2009
- 保坂幸毅,松橋絵里,伊藤清香,久米愛,金城正治:体幹の傾きの違いによる車いすの片足駆動の解析~脳卒中片麻痺者を対象として~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要18(2): 110-119, 2010
- 原田由紀子,石川隆志:介護老人保健施設入所者の認知障害と動作能力との関連~改訂版標準高次動作性検査を用いて~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要18(2): 95-109, 2010
- 久米裕,藤田尚子,阿部勇太,石井奈智子,石井良和:作業活動の目標設定における違いが自己効力感に及ぼす影響.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要19(1): 47-56, 2011
- 原田由紀子,石川隆志:認知症症例の動作の特徴の理解~改訂版標準高次動作性検査を用いて~.秋田作業療法学研究15: 25-31, 2012
- 三橋力也,佐々木彬子,金城正治:座面角度の違いによる車いす片足駆動効率~脳卒中片まひ者を対象に~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要21(2): 113-124, 2013
- 加賀美開,雄鹿賢哉,湯浅孝男:統合失調症患者の退院に対する認識とその関連要因の検討.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要22(2): 13-21, 2014
- 佐藤洋子, 新山喜嗣:統合失調症の社会生活機能に対する流動性知能と結晶性知能の影響. 秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(1): 39-44, 2015
- 岡本真由,湯浅孝男:秋田県在住の脳卒中者が大規模災害に対して感ずる不安感の検討.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 49-58, 2015
- 雄鹿賢哉, 新山喜嗣:バーバルコミュニケーションが困難な患者での,生演奏による相互交流の可能性~統合失調症患者における検討を通して~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 59-67, 2015
- 長澤可愛,石井奈智子,藤井沙織,湯浅孝男:統合失調症患者のリズム同期と関連要因との関係.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 69-74, 2015
- 三浦夏穂,石川隆志:脳卒中患者における姿勢の違いが注意機能に与える影響~座位,立位の姿勢の違いに着目して~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 99-106, 2015
- 福田藍,石川隆志:脳血管障害患者の日常生活における注意機能とドライビングシミュレーターによる運転能力との関連~社会生活で求められる注意機能獲得のために~.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 87-97, 2015
- 佐々木千波,金城正治:「生活行為向上マネジメント」を利用した難病入院患者の作業療法の効果.秋田大学大学院医学系研究科保健学専攻紀要23(2): 107-113, 2015
- Saito Y, Kume Y, Kodama A, Sato K, Yasuba M.: The association between circadian rest-activity patterns and the behavioral and psychological symptoms depending on the cognitive status in Japanese nursing-home residents. Chronobiol Int 35:1670-1679, 2018.