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丹治史也准教授が著者となる学術論文が国際誌『American Journal of Men’s Health』に掲載されました

論文タイトル

「Psychosocial Factors and Andropause Symptoms Among Japanese Men: An Internet-Based Cross-Sectional Study」

著者名

Fumiya Tanji, Hirohito Nanbu, Daisaku Nishimoto, Maiko Kawajiri

雑誌名

American Journal of Men’s Health

研究概要

近年、女性の健康と同様に、男性特有の健康問題への関心も高まっています。中でも、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の減少による男性更年期障害(LOH)が注目されています。LOHの症状は、全身の疲労、性欲の低下、やる気の減少、勃起不全、集中力の低下、不眠、イライラ感、肩こり、排尿障害、頭の重さ、朝の勃起減少、うつ病、認知機能の低下など、多岐に渡ります。また、LOHはメタボリックシンドローム、糖尿病、心血管疾患とも関連しており、男性の健康寿命と生活の質に影響を与ます。そのため、LOHの発症と進行を予防することは、男性の健康の改善、維持、促進においてとても重要です。

現在、診療の場では、LOH患者に対して、運動、飲酒、喫煙、ストレス、睡眠、食事などに関する助言を通じて症状悪化を防ごうと努めています。しかし、これら要因の改善によりLOHの発症や進行を効果的に予防できるかどうかについてはエビデンスが十分ではありません。

そこで、2024年4月に、日本人男性のLOHに対する認知度や有病率、健康影響などについて把握することを目的とした調査研究(J-MARS;Japanese Men's health and Andropause Related Symptoms)プロジェクトを立ち上げました。そして、2024年9月にベースライン調査を実施し、日本人男性における生活習慣や生活環境などの心理社会的要因とLOH症状との関連を検討しました。その結果、心理的ストレス、睡眠障害、喫煙習慣(禁煙した者も含む)が重度のLOH症状と強く関連していることが明らかとなりました。また、長時間の筋力トレーニングが重度のLOH症状と関連することも示唆されました。筋肉量を増やすとテストステロン量が増加すると言われており、診療の場ではLOH患者に筋力トレーニングの実施を推奨することがあります。今後の研究では、筋力トレーニングをはじめ、時間だけではなく、強度を含めた適切な運動量の検証が必要であると考えます。本研究の結果は、LOHの発症・進行予防の対策を講じるために必要な基礎資料になると考えられます。

J-MARSプロジェクトでは、LOHの予防、早期発見・早期治療を促し、男性がいきいきと生活し、働いていける社会を目指して参ります。

論文

URL:https://doi.org/10.1177/15579883241312836

J-MARSプロジェクト

URL:https://sites.google.com/view/j-mars-study/

丹治史也准教授が著者となる学術論文が国際誌『American Journal of Men’s Health』に掲載されました